34歳になる少し前にIT業界に入りました。それまでは教員をしていました。教員最後の年に学校のWebサイトの制作を行い、面白いものだと思いました。教員をやめてから、次に何をしようか考えましたが、Web制作の面白さを思い出し、ソフトウエア開発者になることを決めました。
スキルを伸ばす方法は2つしかありません。1つめは「他のかたの成果物を見て技術を盗むこと」で、2つめは「他のかたにレビューしていただくこと」です。
自分がソフトウエア開発者になった当初はレビューを受ける機会にあまりめぐまれませんでした。が、他のかたが書いたドキュメントやコードを読むことは、当たり前ですが、毎日できました。
そして、それらを参考にして、退勤後や休日にWebアプリを開発していました。
ソフトウエア開発者になって3年め、ユーザ管理システムの開発に従事していたときのことです。気がつくと、いつのまにか、ドキュメントやコードに関する問題を指摘される回数が減っていました。
問題は大抵、他のかたが読んでもわからない文章やコードを書いたことでした。教員あがりの私は自己流で作業を進めてしまうことが多かったです。が、1年・2年とソフトウエア開発を続け、他のかたの成果物に触れているうちに、技術や仕事ぶりを盗むことができるようになっていたようです。
その後、自分なりに自信をもってソフトウエア開発を行うことができるようになりました。また、プロジェクトのリーダーやマネージャをさせていただけるようになりました。
iOSアプリ開発を行っています。始めたのは2012年の春で、それから5年半の間に3つの企業に常駐してアプリ開発をしました。
1つめは、アプリ開発の実績がない企業でした。2つめの企業にはアプリ開発実績がありましたが、所属チームにはアプリ開発実績がありませんでした。すなわち、どちらも先達がいない中で開発を行うことになり、試行錯誤を重ねました。3つめはアプリ開発実績の豊富な企業で、現在常駐しているところです。過去の成果物が沢山あってアプリ開発者が大勢いる、という非常に刺激的な環境です。
開発者の中には若いかたが多くいます。先日あるコードでエラーが発生して困っていたら、隣席の20代のかたが誤りを指摘してくれました。大文字で書くべきところ小文字で書いていました。この例にかぎらず、彼らから学ぶことは多いです。
ところで、iOSが発表されてからまだ10年しか経っていません。アプリ開発の歴史は浅いです。が、それはiOSが枯れていないということで、毎年バージョンアップされ、開発言語の仕様が変更されます。
私は現在50歳、ジャネーの法則を実感している身で、年に1度の変化についていくのに精一杯です。が、自分なりに学習しながら、そして、前述のとおり若いかたに助けていただきながら、スキルを向上させていきたいと思っています。