以前は映像業界で3DCGの制作をメインに6年ほど個人事業主として働いていました。制作中のシステムトラブル発生時に呼ばれるようになり、徐々にインフラ分野について学び始めました。それがきっかけとなり制作進行の安定やトラブルを未然に防ぐことに興味がわき、26歳頃から徐々に仕事の内容もインフラエンジニアとしての業務へシフトしていきました。
全体を通して大変だったのは一つの業務や機械やシステムそのものよりも案件の進行や調整だったと思います。
構築するシステムでどの部分を重要ポイントとして進めるかを決める際に同じチーム内やお客様と求めるところが異なってしまった時に大変さを感じてきました。例えば、自分はセキュリティを重視していて、他のエンジニアは使いやすさや構築スケジュールを重視しているとします。この場合、セキュリティを高めるためにはその分の検討期間や構築時間が増えてしまい、使いやすさや実際の構築期間が犠牲になることがあります。このようなことが発生した場合は、都度話し合いを行いその案件内でより重要性のある意見を採用できるように心がけました。結果的に自分の意見を通すこともあれば、ほかの要素を優先するなどして要求にそったシステムの構築に臨みました。一度取り決めを行っても構築の進行中に再度優先度や問題点について相違が発生することがあります。そういった場合は話し合いや説明を重ねて意見の衝突を解消するようにしてきました。
どの工程でも発生します。ただ、どの工程で発生するかによって大変さが異なります。設計工程で見えた問題点は事前に検討を行い対応できることも多く、比較的解決しやすいです。しかし、構築および最終的なテスト段階で発生すると大変です。それは、設計の段階でうまくいくと思われていた部分でのトラブルや、想定していなかった要求変更など設計段階からの再考が必要になる可能性があるからです。
ユーザの要求に対して出来る限りニーズや利便性に対して最善のものを提供できるよう気を付けています。
積み重ねてきた経験で問題を想定し対応できることもありますが、思い込みや慣れが問題解決を妨げることもあります。例えば、知らない機能が新しいバージョンから適用されており、自分はその機能を知らないこともあります。エンジニアとして全ての知識を網羅することはかなり難しいと思います。だからこそ、自分を過信せず常にアンテナを張るようにしています。ここで言うアンテナとは、積極的にコミュニケーションを取ることで自分以外のエンジニアがどの分野で強いのかを知っておきます。そうして困ったときにお互いに支えあってこそスキルを磨くことができると信じています。